世界の中高大学生の英語習得状況

世界英語能力ランキング

先日、お伝えした世界英語能力ランキングでは、学校版の調査も実施されている。中学生から大学生の英語スキルを見てみよう。

学校向けEF EPI英語能力指数(EF EPI-s)
調査: イー・エフ・エデュケーション・ファースト
調査方法: 無料オンラインテスト「EF SET」で、読解・リスニング力を測定。世界43カ国における全日制の学校・大学に在籍する35万人(13~22歳)のテスト結果を分析。


13歳までの英語スキルは、ほぼ同じ

初等教育から外国語として英語を学習する国は多いが、カリキュラムや時間数、教材、評価基準などはそれぞれ。学年が上がるにつれ、英語能力に差が見られるようになるが、13歳までの生徒の英語スキルは世界中でほぼ同じであることが今回の調査で判明した。

これは各国の英語教育向上に向けた取り組みによるものかもしれない。過去10年、アジアや中南米の多くの地域で、教師の再教育や授業へのテクノロジー導入、英語のネイティブスピーカーの採用など、さまざまな投資が行われてきた。

結果、中南米では13~16歳の生徒が、ヨーロッパの同年代グループと同じレベルの英語能力を維持している。両者の間に差が現れるのは、高校から大学にかけてだ。

一方、アジアではより早い段階でヨーロッパの生徒との間に差が出始める。ただし、中南米の生徒の英語能力が16歳を越えると停滞するのに対し、アジアの生徒は16歳を過ぎても継続して力が伸びる傾向にある。中南米とアジアの生徒の英語能力の差は、14歳の時点と20歳の時点でほぼ同じ開きに留まる。

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)分布

A1から順に英語能力が高くなる。最高はC2

世界全体を見ると、13歳時点で7割以上の生徒がCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)※のA1、A2レベルにある。そして、その後の2年間でより上のレベルに移行する生徒が多いことが分かる。一方、16歳から高等教育修了までの期間に、低い英語能力レベルから上のレベルに移行する生徒・学生は少なくなり、他方、高い英語能力レベルに位置する生徒・学生は向上を続けている。

大学生では、21歳に占めるA1レベルの学生数が全年齢で最も少ない。また最上級のC2レベルの割合は、高校生のグループより低い。グローバルのビジネス環境では、中級上レベルにあたるB2が最低限必要だが、このレベルに到達した学生は20%未満であった。

※外国語の習得状況を測る際に用いられるガイドライン

ヨーロッパも大学生になると学習速度が緩やかに

成人の英語能力が高いヨーロッパは、いかにして英語教育に成功したのか。本データで示されたのは、ヨーロッパの学生も年齢とともに学習速度が減速するものの、毎年着実に向上を続けていることだ。教育期間全体を通してEF SETスコアで合計10ポイント、毎年平均1ポイント以上伸びている。

これは、大学入学後も含めて確実、かつ継続して学習に取り組んだ結果であることが示唆されている。ただ一方で、上達への道筋がそれぞれ異なることにも留意する必要がある。例えばスペインでは、中学より高校でさらに多くの英語を学ぶが、大学に入ると進歩の幅は最小限に留まる。また、スイスはヨーロッパ全体の平均よりも毎年大きく向上しており、公的教育が修了した後も継続して進歩している。

年間のEF SETスコアの変化

中南米では、より早い年齢で学習スピードの減速が起きる。また、アジアでは教育の全期間を通じて学習スピードが遅い傾向にあり、アルファベットや母語とまったく異なる言語の習得に多くの生徒・学生が苦労していることが推察される。

伸びやすい傾向にあるリスニング力

英語のリスニング力はリーディング力より速く上達する傾向にあり、両者の差は20歳前後まで拡大する。考えられる原因には、コミュニケーション型の教育が重視されるようになったこと、英米の映画やドラマ、音楽といったメディアを通して、英語に触れる機会が増えたことが挙げられる。

これらは学習者にとってプラスの傾向であると同時に、指導者は幅広い語彙と複雑な文章構造を使用するための教育を念頭に、リーディング力の構築に力を入れる必要があるだろう。リーディングスキルは、ビジネス文書やメール、ニュース、研究内容を理解する必要のある仕事では特に重要となる。

リスニングとリーディングのFE SETスコア
横軸が年齢、縦軸がスコア

テスト「EF SET」と研究についての詳しい情報は、こちら>>


資料提供: イー・エフ・エデュケーション・ジャパン
文・構成: アルクplus 編集部

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