留学をその先の未来へ――ホストファミリーとのコミュニケーション

アルク留学センター

短期留学の中には、日本から引率者が同行するグループプログラムがあります。この中には、現地中学・高校生活を体験しながら、その土地の一般家庭にホームステイ滞在するスタイルもあります。今回は、ホームステイ滞在をしながら、ロンドン近郊の公立中高一貫校で約10日間の短期留学プログラムを体験した英語好き女子生徒AさんとBさんのつまずきや成長を、ホームステイに焦点を絞ってご紹介します。
※本記事の写真は全てイメージです。本文に登場する人物との関係は一切ありません。


イギリスに憧れ、大好きな英語に挑戦したいと意気揚々とお友達同士で同じホームステイ先に滞在したAさんとBさん。しかし、滞在3日目が過ぎた頃、彼女たちは「ホストファミリーが怖くて……自分たちと関わりを持ちたくないようだ」と引率者に相談しに来ました。

彼女たちのホストファミリーは、イギリス人の30代後半の若いご夫婦で、小さな娘さん2人の4人家族でした。彼女たちの話では、ファミリーとは会話が続かず全く話ができないし、話をしたい様子もない、と他の参加者の家庭をうらやんでいました。

引率者から見ると、彼女たちのファミリーは明るく飾り気のないとても元気な家族です。また、英語の基礎力があるAさんとBさんが「会話が続かず全く交流ができない」という点に、少し違和感を覚えました。そこで、ファミリーに話し掛けられることはあるのかを尋ねてみると、帰宅時は「おかえり!」と笑顔で迎え入れてくれるとのことでした。引率者は、帰宅時に勇気を持って話し掛けることが大切だと伝えると、彼女たちは「頑張ってみよう!」と笑顔で帰宅していきました。しかし翌朝、「やっぱり会話が続かなかった」と、がっくりと肩を落とし彼女たちが現れました。

会話のきっかけづくり

引率者は、昨日の話題をもう少し掘り下げて、「毎日、家に帰ると必ず”How was your day?”って聞かれない?」とAさんとBさんに質問。すると2人はすぐにうなずいたため、さらにこんな質問を投げ掛けてみました。

「いつもGoodかFineって答えてる?」、2人は顔を見合わせながら、さらに大きくうなずきました。彼女たちは、一歩踏み出してはみたものの、会話を続ける具体的な方法を見つけられなかったようです。

そこで、まず帰宅時の”How was your day?” から会話を続けてみることを提案しました。「え~、何て言えばいいんだろう?」と言いながら、2人は辞書を出して調べますが、なかなか良い表現が見つかりません。引率者は再度いくつか質問を投げ掛けてみました。

「今日、一番楽しかったことは何?」「じゃあその楽しかったことで特に印象に残っていることは?」。すると、2人は遠足で訪れた場所や、学校の授業で体験したことなどを楽しそうに話しだし、会話のキャッチボールが続きます。一通り会話が終わると、引率者は2人に「じゃあ、その楽しかったことをまずは一つ、Goodの後に付けて話してみたら?」と伝えました。

「あっそうか!」最初にピンときたのは、Aさんでした。今話した内容を振り返り、Goodの後に「遠足で〇〇へ行って楽しかった」という1文を英語ですらっと口にしました。それに続いてBさんも「自分の場合は……」と考え始めます。その日、2人は少し緊張した面持ちでファミリーの元へ帰って行きました。

アルク留学センタープログラムのイメージ(本文に登場する人物とは無関係です)

会話を続けるための挑戦

翌朝、2人は元気に引率者の元へ来て、「会話がいつもより続いた!」報告してくれました。昨日帰宅後、練習した通りに、訪れた遠足先が楽しかったことを伝えると、イギリスの名所についてファミリーと会話のキャッチボールが続いたそうです。

その後も彼女たちの挑戦は続き、それぞれの成功例や失敗例を共有する試行錯誤の中で、作戦内容も”どう英語で言えばよいか”から”何を話せば会話が続くのか”へ変化していきました。プログラム最終日、彼女たちは最初に怖い印象を持っていたファミリーと名残惜しそうにお別れし、「優しい人たちだった」「帰りたくない!」と、笑顔で日本に帰国しました。

後日、AさんBさんの保護者の方々からは、「子どものコミュニケーション能力がさらに磨かれた」「子どもが自分の気持ちを今までよりも伝えてくれるようになった」という感想をいただきました。

プログラムがスタートしたころの2人はまさに受け身で、聞かれた質問に対して一言で答えるのみといった状態でした。ホームステイ滞在や現地校体験ではネイティブの方々との交流が主となることから、多くの生徒が受け身になりがちです。たくさん交流できたという生徒であっても、実際はYes / Noでの返答や、ネイティブが会話する輪の中にいることだけに満足してしまい、自発的に会話することができていないケースが多いです。

現地校体験やホームステイは、英語力以上に異文化理解とコミュニケーション力が求められるのです。英語が好きな生徒や英語の基礎力の高い生徒、成長が停滞気味の生徒への次のステップアップに、実践的な英会話の組み立てを実体験から学ぶことができる現地校体験&ホームステイプログラムをぜひお勧めしてみてはいかがでしょうか。

2020年春休みシーズンに参加できる「イギリス引率者付 春休み現地校体験プログラム」をアルク留学センターのウェブサイトでご紹介しています。資料請求、お問い合わせも受け付けています。

アルク留学センター
Tel: 03-3556-1325 (月~土 10:00~18:00)
E-mail: jr-study@alc.co.jp
https://tanki-ryugaku.alc.co.jp/


取材・文: アルク留学センター


本記事は、『英語の先生応援マガジン』2019年秋号に掲載した「留学をその先の未来へ」からの転載です。

“本気の英語の先生”をアルクが応援する、登録制(会員制)ウェブサイト「英語の先生応援サイト(LTAF: Learning Teachers’ and Advisors’ Forum)」もぜひご覧ください。

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