7カ月でTOEICスコア平均99.7点アップを果たした、ショーワの「英語MASTER研修」

ショーワ

世界を舞台に活躍し続けるため、社員の英語力の底上げを図る研修プログラムを開始し、5年目に突入したショーワ。人材開発課 課長の山中友之さんに、これまでの軌跡と手応え、今後の展望などをお聞きしました。

株式会社ショーワ
輸送用精密機能部品の製造、販売メーカー。1938年設立。「世界のお客さまから信頼されるグローバル企業を目指し、たゆまぬ改革を続け、最高の技術と品質で優れた商品を提供し、ユーザーニーズに応える。」を社是に、国内5拠点、世界11カ国に25拠点を置く。油圧緩衝器の大手。
https://www.showa1.com/


もはや、英語を必要としない部門のほうが少ない

――貴社のグローバルな事業展開について教えてください。

山中 当社は、主に二輪車、四輪車、ボート用の製品を開発・製造しています。国内だけでなく海外にも広く得意先があり、売り上げの6割以上は海外が占めています。特に、二輪車用ショックアブソーバー(油圧緩衝器)では、世界ナンバーワンのシェアを誇っています。

世界各国のニーズに迅速に応えるため、積極的にグローバル展開を推し進めてきました。現在は、世界11カ国25拠点で事業を展開しています。これらの中には生産拠点だけでなく、開発拠点や購買拠点も含まれており、国内外のスタッフが緊密に連携しながら業務を進めることが不可欠です。

――社員は具体的にどのような場面で英語力を必要とされますか?

山中 海外と関連する、あらゆる仕事で英語力が必要とされます。110名から120名ほどいる海外駐在員はもとより、海外出張の機会も数多くあります。こうした海外で仕事をしている社員に英語力が必要であることはもちろん、国内で働く従業員にとっても、英語とのかかわりは避けられるものではありません。開発、生産技術、購買、品質、管理など各部門でグローバルな連携が必要となりますので、もはや英語を必要としない部門のほうが少ないといえます。

――研修導入前、社員の英語力はどのくらいのレベルでしたか?

山中 TOEIC(R) L&R TEST(以下、TOEIC)のスコアは平均200~300点。事業面では海外展開を強力に進めている企業でありながら、社員の英語力は決して高いとは言えない状況でした。

海外駐在や出張先では必要に応じて通訳を付けるものの、英語力があるに越したことはありません。国内で働く社員も、英語ができればより質が高く、効率的に業務を進められるようになると思います。こうした背景から、社員の英語教育に本腰を入れて取り組むことになりました。

ショーワ

社員を「英語好き」にしてくれる講師が必要だった

――英語研修の内容について教えてください。

山中 2015年から、アルクさんのご協力を得て「英語MASTER研修※」を導入しています。
MASTER: Making Showa Thrive with English Result ⇒英語力向上でショーワの繁栄を実現する

英語教育を提供してくれる十数社と比較・検討した上でアルクさんに決めた理由は、英語嫌いの社員を英語好きにしていただけるのではないかという期待感からです。それを実現できるような質の高い講師陣と体制を整えている点に強く魅力を感じました。

ただ単にTOEICのスコアを上げることだけが目標であれば、ほかにも選択肢はあったかもしれません。ですが、TOEICのスコアは、あくまでマイルストーンに過ぎないのです。当社の英語力の現状を踏まえると、社員とフェイス・トゥ・フェイスで伴走していただけるようなやり方が間違いなく合っていると考えました。

――どのようなカリキュラムを組んでいるのでしょうか。

山中 まず、プログラムの開講から終了までの全体の流れをご紹介します。研修期間は6月から12月の約半年。英語レベルによって最適なプログラムを組んでいけるように、受講者には事前にTOEICテストを受けてもらい、スコアに応じて初級・中級・中上級の3クラスに分けます。9月と12月にもテストを受験して、スコアの伸びを測ります。

レッスンは、週1回のグループと月1回の個人を組み合わせて実施。年2回は有名講師を迎えてのセミナーも行います。また、全体研修が始まる前にキックオフセミナーを開催し、研修の目的や意義などを明確にしていることも効果につながっています。

研修の最後には、1人2分程度の英語でスピーチを行う「成果報告会」を実施します。部門長や直属の上司なども出席し、7カ月の成果に対するコメントをもらうようにしています。報告会を設けることで、受講者本人のがんばりを直接上司にアピールする機会になります。また、会社の英語力向上への本気度を社員に理解してもらうことにも役立っています。

具体的なカリキュラムですが、初年度はTOEICのスコアアップよりも基礎英語力の向上を意識して、リスニング力を鍛える「Rhythm & Beat」や、発信力を付ける「Creative Speaking」といったプログラムを採用しました。どのレッスンでも実際に口を動かす機会が多く、英語を話すことへの抵抗感が薄れた社員が多かったようです。個人レッスンでは、講師の方に発音指導をしていただいたり、授業で分からなかったことを質問したりする機会として役立ったようです。

カリキュラムは毎年同じではなく、よりよいものになるよう試行錯誤しています。改善すべき点や受講者からの要望があれば、それらもできるだけ翌年に反映します。

英語研修

年間スケジュールは適宜見直し、途中で調整することもある

昨年度はTOEICで平均99.7点アップ!
目に見える成果で社内の反応も上々

――研修の成果をどう評価されますか?

山中 成果は目に見える形で表れています。TOEICの点数だけを見ても、昨年度は平均99.7点のスコアアップを達成しています。全体の3分の1以上が100点アップというのは、すごいことですよね。研修を終え、現在は海外拠点で活躍している社員も複数います。こうした成果は、職場の配慮や本人の努力の賜物だと思います。

受講者はみな業務が多忙な社員でありますし、中には子どもが生まれたばかりで学習時間がなかなか取れない社員もいました。不思議なことに、そういう社員に限ってTOEICの点数を大きく伸ばしていたりするんですよね。点数を伸ばした受講生に共通して言えるのは、最初に研修を受ける目的を明確にして、通勤時間や終業後の時間を使うなど、学習スケジュールをきちんと決めていたことです。

そして、社員のやる気が高まったのは講師の力によるところが大きいと思います。英語が苦手だった社員からも「最初は気が進まなかったけれど、出席してみたら楽しかった」「英語が好きになった」との声が聞かれました。

――社内での反応はいかがでしたか。

山中 じつは、2015年に研修を導入した当初は、就業時間を英語の勉強にあてることに少なからず反発もありました。それでも、最終的には役員や上長の皆さんが英語MASTER研修の導入を後押ししてくれました。受講中の社員には業務調整をして出席を促してくれるなど、研修に参加しやすい雰囲気づくりを職場全体でサポートしてくれているようです。

2年、3年と研修を続けていくにつれ、社内での認知度や理解も高まってきたと感じています。やはり、グローバルな事業展開の中で英語力を高める必要性を職場で感じられているという背景もあると思いますし、研修受講によってTOEICのスコアアップという分かりやすい形で成果が出ていますので、今では英語MASTER研修が非常に好意的に受け止められているのだと思います。

参加者も当初は、本当に集まるかという不安がありましたが、今では特別な働きかけをしなくても50~60名程度は集まるようになり、こういった点からも英語MASTER研修が浸透してきたと手応えを感じています。

――今後の展望をお聞かせください。

山中 2026年までに、社員の3分の1にあたる約1000人がTOEICで550点以上を取得できるようにすることが目標です。ただし、これはあくまで目指すべき道筋であって、まずは英語の基礎力を高めてもらうことが第一です。具体的には、TOEICで400点未満の人なら70点アップ、それ以上のレベルであれば100点アップを目指してほしいですね。その上で、日々の業務や海外出張、駐在といった実践の場で磨きをかけていってもらえればと思います。

自動車業界が大きな変革期を迎える今、企業が勝ち残っていくためには、社員一人一人がそれぞれの分野で活躍し続けることが必要です。グローバルに事業を展開している以上、英語力の低さがハンディとなって競争に負けたり、業務効率が下がったりすることは許されません。今後も英語MASTER研修を通じて、言葉の壁を取り払うための環境整備に力を入れていきたいと思います。

ショーワ
株式会社ショーワ 管理本部 総務部 人材開発課 課長
山中友之さん

2004年入社。前職で人事を担当した経験を生かし、入社後は管理本部で人事の仕事に携わる。人事諸制度の企画や労働組合との交渉などを担当後、2017年より人材開発課に所属。人材育成の諸制度の企画や、「英語MASTER研修」をはじめとする教育研修のオペレーションを行う。人事や教育の仕事を通じて、それぞれに経歴や考え方が異なる多様な「人」とかかわることの面白さを感じている。

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プログラムの内容や導入事例は、コチラをご覧ください>>

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取材・構成: いしもとあやこ
写真: 横関一浩

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