外国籍社員への研修ニーズに応えるアルクの日本語事業──「ヒューマンキャピタル2019」ブース&セミナーレポ

外国籍社員が生き生き働くための日本語教育

2019年5月29日から31日の3日間、東京・有楽町で企業の人事・組織戦略・人材関連サービスのための専門イベント「ヒューマンキャピタル2019」が開催されました。アルクは「英語・グローバル人材・外国人材ゾーン」にブースを出展。また、楽天モバイル株式会社のご担当にご登壇いただき、外国籍社員に向けた日本語教育事例を紹介するセミナーも開催しました。当日の様子をリポートします。


30年以上の歴史をもつアルクの日本語事業

「ヒューマンキャピタル2019」のブースでアルクが主にご紹介したのは、外国籍社員を対象とした日本語研修、異文化研修に関する商品・サービス。アルクといえば「英語」というイメージが強いかもしれませんが、実は、1980年代半ばから書籍や月刊誌の刊行、通信講座の運営など、30年以上にわたり日本語事業を展開しています。

「今、日本語研修や異文化研修に対するニーズがかつてないほどに高まっていると感じています」と話すのは、ブースで案内を担当した営業部の銭場正明(せんばまさあき)。外国籍社員の採用に力を入れる企業が増える中、日本人社員の英語力を強化するだけでなく、外国籍社員にも日本語でのコミュニケーション力をより高めてほしいと考える人事担当者の声を多く聞くようになってきたそうです。

今回紹介したサービスの一つである「アルクオンライン日本語スクール」は、ビジネスの現場で使える実践的な日本語会話習得に特化したオンラインサービスです。Skypeを通じて行う1 on 1 レッスンで、時間や場所、レベルを問わず質の高いレッスンを受けられるのが大きなメリットです。

ブースでは、ほかにも「JSST (Japanese Standard Speaking Test = 電話による日本語会話力測定テスト)」や、グローバルな職場において社員の相互理解を助けるための「異文化研修」といった商品・サービスをご紹介しました。会期中は、業種や規模の大小を問わず多くの企業の人事担当者から関心をお寄せいただき、日本語・異文化研修ニーズの高まりを改めて実感しました。

外国籍社員の増加に伴う、日本語研修ニーズの高まり

会期中の5月29日には、「外国籍社員が生き生き働くための日本語教育~オンライン日本語スクールの活用事例~」と題したセミナーを開催。アルクで企業営業部長を務める酒井俊輔が日本語事業について詳しく紹介した他、楽天モバイル株式会社より人事総務部長の久保田慶氏が登壇し、グローバル化を推し進める同社で実際にアルクのオンライン日本語レッスンを導入した経緯や今後の展開についてお話されました。

外国籍社員が生き生き働くための日本語教育

セミナー冒頭では、酒井が日本語教育を取り巻く現状を解説しました。日本で働く外国人労働者の数は、2018年に146万人を突破。3年前と比較すると50万人、10年前と比較すると100万人増加したことになります。優秀な人材の確保や海外におけるビジネス展開の活性化など、外国籍社員を採用するメリットは大きいですが、一方で多くの企業が頭を悩ませているのが「外国籍社員の離職率の高さ」なのだそうです。

離職率が高い理由の一つとして、「日本語コミュニケーション能力の不足が挙げられます」と酒井。「日本語能力試験(JLPT)で最も難易度の高いN1レベルを取得していても、ビジネスの現場で満足のいく日本語が話せないというケースがよくあります。日本語能力試験ではリスニング力とリーディング力を測るため、採用前にスピーキング力(コミュニケーション力)を正確に評価することが難しいのです」と説明します。

日本語コミュニケーション力を測るためのツールとして、アルクの「JSST」が紹介されました。JSSTは、電話で手軽に受験できる日本語会話力テストで、10段階でレベルを判定(10が最も上級)します。JSSTの受験者を調査した結果、日本語能力試験で最高のN1レベルであっても、JSSTではレベル3(初級)と判定される人もいるといいます。

JSST

このように、日本語の知識と実際のコミュニケーション力との間にギャップがある外国籍社員にも「アルクオンライン日本語スクール」をぜひ活用してほしい、と酒井。初級・中級・上級に分かれたレベル別コースの他、「ビジネス電話応対コース」「ビジネスマナーコース」といった個別のニーズに合わせたレッスン、企業ごとにカスタマイズしたレッスンなども実施しています。セミナーでは、オンラインレッスンを通じて外国籍社員の日本語コミュニケーション力が高まり、業務の改善につながった企業の事例も紹介されました。

楽天が取り組む Japanization(日本語化)

セミナー後半では、楽天モバイルの久保田氏が登壇しました。2006年に楽天株式会社に入社して以来、人事・総務部門に携わってきたという久保田氏。「性別や国籍にかかわらず、優秀で頑張りたいという人を仲間にしたい」という三木谷浩史社長の方針のもと、これまでに数多くの優秀な人材を世界各国から採用してきました。楽天では海外拠点も広がっており、国内外のグループ企業で働く社員数は約1万8000人(2019年2月現在)。外国籍社員の割合は、国内で約2割、海外拠点も合わせると実に4割を超えるそうです。

楽天は、2010年に「社内英語公用語化」を開始するなど、徹底したEnglishnization(英語化)の方針を推し進めてきたことで知られています。社内で使う資料やメール、会議での共通言語は原則として英語。社員への英語教育にも力を入れ、現在、社員のTOEIC平均点は838.6点と非常に高い水準を誇っています。

そして今、Englishnizationに続いて取り組んでいるのがJapanization(日本語化)。外国籍社員にも日本語を身に付けてもらい、日本文化を理解してもらうよう促進する取り組みです。「普段の業務は英語で問題なく行えますが、会社だけが生活ではありません。外国籍社員が安心して日々の暮らしを送れるように、日本語研修を提供していきたい。言語を学ぶことで、日本文化を理解してもらうことにもつながると考えています」と、久保田氏は話します。

外国籍社員が生き生き働くための日本語教育

楽天モバイルでは当初、外国籍社員を対象に、講師を招いて対面型の日本語レッスンを実施したそうです。ところが、業務が多忙なことからレッスンに参加できない社員が続出。そんな折にアルクの「アルクオンライン日本語スクール」を知り、今年3月から導入しました。

「土日や夜間も含めて都合のいい時間に受講できるとあって、社員からの評判は上々です。サバイバルレベルの日本語を習得してから日本に来てもらえるのは、オンラインならではのメリット。こうした研修を実施することで、海外からの入社希望者も増えるかもしれません」と久保田氏。最後に「楽天は今後も多様性を大事にし、イノベーションを生み出す会社であり続けたい」と話し、セミナーを締めくくりました。

外国籍社員が長く働ける環境づくりを目指す

セミナー終了後、久保田氏に少しお話を伺いました。楽天モバイルでは現在、50〜60名ほどいる外国籍社員がオンライン日本語レッスンを受講しており、今後は海外在住の内定者にも順次受講してもらう予定とのこと。今年秋に携帯電話事業への新規参入を控えているため、現在は日本語学習に注力できる状況ではないものの、「業務が落ち着いたら、より積極的に日本語力の強化を促していきたい」と考えているそうです。

「楽天では新卒だけでなく中途採用の外国籍社員も多く採用しているので、ファミリーで来日している社員も大勢います。ですから、社員だけでなく家族やお子さんにも生活しやすい環境を整えたいです。優秀な人材に、長く定着して働いてほしいですね」と、今後の展望を語ってくれました。

アルクオンライン日本語スクール の導入を検討される方に
ダウンロードいただける資料をご用意しました。

【主な内容】
・「アルクオンライン日本語スクール」とは
・採用のメリット
・質の高い講師陣
・充実のLMS
・レッスンについて
・システムについて

どうぞご活用ください>> https://www.alc-education.co.jp/business/materials/aojlms.html


取材・文: いしもとあやこ
写真: アルクplus 編集部

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