「英語で」授業をする力を高めるFD研修【大学教員・スタッフ向け】

オマハ大学

大学の教員向け FD 研修が毎年夏、ネブラスカ大学オマハ校(アメリカ)で行われ、多くの参加者が英語で授業をするための力を付けてきました。現地を視察したアルク福岡支店の森山 光が、研修の詳しい内容をご案内します。


――FD 研修とは、どのような研修ですか?

森山 大学教員の「英語で教える力」を高める研修です。FD は、Faculty Development の略です。日本の大学でも、自学の先生を対象にFD研修を行っているところは多いのですが、アルクでは海外の大学とタイアップして2004年から大学教員向けプログラムを展開しています。今回ご紹介するアメリカのネブラスカ大学オマハ校 University of Nebraska, Omaha(以下 UNO)では、2010年から毎年実施しています。

UNO FD プログラムは、非英語圏の大学の先生たちが「それぞれの専門分野の授業を英語で行なう力」を向上させることを目的としています。日本でも文部科学省の号令のもと、大学のグローバル化の気運は高く、留学生や在日外国人の子弟に門戸を広げようと、分野を問わず英語で授業を行う大学が増えてきました。日本語で行なう授業と遜色のない授業を英語で行うことが、大学教員に求められるようになってきています。

英語力は当然必要ですが、国籍も文化背景も多様な学生に教えるとなると、授業の組み立てから見直す必要が出てきます。クラスコントロール、英語によるシラバスの書き方など、全体的なスキルの見直しも迫られます。そうしたスキルを学べるのが、UNO FD プログラムです。

日本の窓口はアルクが担当し、申し込みがあった大学単位でプログラムを提供しています。期間は5日間。最大でも12名程度の少人数で行ないます。

オマハ大学プレゼンテーションで使う教室の一つ

英語による授業の実践を3段階で学ぶ

――実際のプログラム内容について教えてください。

森山 プログラムは、大きく分けて3段階で構成されています。

① 教授法のワークショップ
先生が話し学生が聞くという日本型の講義ではなく、学生を巻き込んだインタラクティブな授業を、どう作っていくかを学びます。学生の興味を引き出しつつ、いかに授業をファシリテートしていくのか。参加者の専門分野を問わず、授業運営に共通するスキルやポイントを、しっかりつかむことができます。

② 授業見学
研修に参加される先生たちの専門分野、もしくは類似分野を教える UNO の先生の授業を見学して、その先生と交流する機会を設けています。出発前にアルクが参加者の皆さんにヒアリングを行い、UNO 側の担当者と連携して個々の参加者と UNO の先生とをマッチングしています。このため、前述のワークショップは全員が一緒に受けますが、授業見学は個別に行なうことになります。

③ 模擬授業のプレゼンテーション
プログラムの最後には、UNO の学生を相手に、一人20分程度の「模擬授業」を全員が英語で行ないます。あらかじめ各自で持参したスライドなどの素材を用い、研修で学んだことを反映させながら、また FD 教官の助言も得ながら、英語の授業を組み立てていきます。

終了後、一人一人に評価とコーチングを行います。「あの部分では、もっと事例を入れてみてはどうでしょう」とか、「合間にこういう言葉を挟むと、学生が考えるきっかけになりますよ」といった助言は、またとないヒントになるでしょう。貴重な経験を帰国後も役立てていただけるよう、各自の模擬授業の様子は、録画してお渡しします。

オマハ大学スピーチやプレゼンの練習ができるスピーチセンター

大学の授業の「グローバル・スタンダード」を理解する

――参加に必要な英語力はどのくらいですか? 参加した先生方の感想も気になります。

森山 参加の目安は、TOEIC 750点程度からとしていますが、英語力にはかなりばらつきがあります。英語科の教員はまったく問題がありませんが、他の学科の教員の方でも、国際学会などに出席できるレベル、ある程度コミュニケーションできるレベルを念頭に参加されています。

参加者の感想は、総じてポジティブです。いわゆるグローバル・スタンダードな大学の授業形態に触れ、日本の授業風景との違いに驚き、刺激を受けたという方が少なくありません。学生が活発に発言する様子、教師がどんどん学生に問いかけをしていく様子を目の当たりにして、「インタラクティブな大学の授業とはどういうものか、具体的に分かった」「自分が今後英語で授業を行う上でとても参考になった」という感想を数多くいただいています。

最後に行なう「模擬授業」は特に有意義だったと、皆さん異口同音におっしゃいます。模擬授業を撮影したビデオを大学の同僚の先生たちにも見てもらい、みんなで知見を共有するといった使い方もしておられるようです。

――余暇の時間はどう過ごしていますか? 町や大学の環境・治安はどうでしょう。

森山 プログラムが行われるのは、月曜から金曜の午前9時から午後4時頃までです。その後は夕食を挟んで、イブニングコースの授業見学に行く人、模擬授業の準備をする人、授業見学で知り合った UNO の先生と交流を深める人など、思い思いに過ごされています。オマハはネブラスカ州最大の都市でありながら、どこかのんびりとした雰囲気が残る町です。宿泊には、キャンパスからシャトルバスで5分のホテルを利用します。ハイグレードな真新しいホテルですから、安全快適に滞在できます。

オマハ大学平日は午前7時にオープンする大学図書館。週末も利用できる

「個々の教員にカスタマイズ」するのがアルク流

――アルクが提供するこのプログラムの一番の魅力は何でしょう。

森山 UNO FDプログラムは、5日間という短い期間の中で、インプットとアウトプットがバランスよくパッケージ化された、中身の濃いプログラムです。それも教員の専門科目に応じて、カスタマイズされている点が最大の魅力だと思います。

と言うのも、さまざまな国から参加者を募る、一般的なオープン形式のプログラムでは、英語力の面でも、学習効率の面でも、サポートについても、個々の参加者の期待に添えきれない場面が多々あるからです。その点、本プログラムは、もともと日本の大学の教員研修を念頭に開発されました。しかも授業見学をお願いする現地の先生とのマッチングや、個々の模擬授業などでは、参加者ごとに対応しますので、圧倒的に付加価値が大きいのです。

最近は、同じくアルクが提供する国内FD研修で基礎を固め、その後 UNO FD 研修で実践を学ぶなど、国内外の FD 研修を組み合わせて活用し、効果を上げる大学も出てきています。いずれの場合も、丁寧なヒアリングに基づいて、豊富な選択肢から最善の提案を行ない、最後まできめ細やかなサポートを提供できるのは、グローバル人材研修・海外研修に長い経験を持つ、弊社ならではと自負しています。

2年前からは、UNO の大学病院とのタイアップで、医学部の先生への対応も可能となりました。英語による授業の充実に向けて、今後も専門分野を問わず、UNO FD プログラムを有効に役立てていただければうれしく思います。

オマハ大学

ネブラスカ大学オマハ校
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アルクまでご連絡ください。

アルク 東京本社 / 名古屋支店 / 大阪支店 / 福岡支店
https://www.alc-education.co.jp/academic/apply/


文・構成: 田中洋子
写真: 森山 光

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