企業の海外研修プログラム、成功のヒント【第2回:フィリピン留学編】

フィリピン語学研修

グローバル人材育成を加速させるために、社員を海外に派遣して研修を実施する企業が増えています。近年、派遣先として注目を集めているのがフィリピンです。企業の海外研修に詳しいアルク社員が、現地の学校事情やメリットなどを語ります。
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人気のフィリピン語学研修。安近短で企業利用も活発に

――フィリピンへの短期英語研修が人気です。社員の語学研修に企業が利用する例も増えているようですね。

酒井 フィリピンへの語学研修は、距離的に日本から近く、時差は1時間。費用もリーズナブルなので、企業の研修においても魅力は大きいと思います。フィリピンの学校教育は英語でも行なわれていますから、フィリピン人講師の英語力は総じて高いです。期間も数日、数週間という短期からあります。実際にここ数年、新入社員から中堅社員まで、日本企業の語学研修に広く活用されています。

根間 アルクがフィリピンを扱うようになったのも、実はお客さまの声がきっかけでした。「最近、社員の語学研修をフィリピンでやっている会社があるようだけれど、アルクさんでもできますか?」と、数年前にお問い合わせをいただいて、そこから本格的にリサーチを始めたという経緯があります。

――従来のアメリカやイギリスから、フィリピンへ、企業が研修先国を変更するようなケースも出てきていますか?

根間 研修先をフィリピンに変えるケースはありますね。また新入社員や若手社員など、今まで海外の語学研修の対象から外れていた階層の社員を、フィリピンへ送るようになった企業もあります。欧米に比べてフィリピンの場合は、一人当たりのプログラムコストを抑えることができ、その分、ある程度まとまった人数を送ることができるので、より多くの社員に対して研修機会を創出できるようになりました。また多忙なエグゼクティブ向けの研修としても、短期間で集中的に、しかもプライベートで英語が学べると好評です。

フィリピン語学研修1対1のレッスンが主流のフィリピン語学研修

アメリカ・イギリスか、新たな選択肢、フィリピンか

――企業にとって、フィリピンで語学研修を行うメリットは何ですか? また、デメリットもあれば教えてください。

酒井 まずメリットですが、フィリピンの学校は、マンツーマンのレッスンが主流なので、短期間でもかなりの発話量を確保できます。たくさん話して英語に慣れることは、「英語は苦手で自分にはムリ、間違ったらどうしよう」などと、ついネガティブに考えてしまう意識の壁、いわゆるメンタルブロックを外す上で、とても重要です。

一方、欧米の学校では、さまざまな国の人と一緒にグループレッスンを行うことができますが、フィリピンはマンツーマンレッスンですから、異文化体験がやや少なくなる点は、デメリットといえるかもしれません。またホームステイが多い欧米の学校では、起きてから寝るまで英語に触れられるのに対して、フィリピンでは寮やコンドミニアム、あるいはホテルに滞在するため、英語を使うのは主にレッスン中です。さらに言えば、フィリピンで話されているのは第二言語としての英語ですので、上級者が学ぶ場合は、やや物足りなさを感じるかもしれません。

――欧米かフィリピンか。企業の研修担当者は、選択に悩むところですね。

根間 それぞれの国の特性を知り、研修の目的に合った国や地域を選ぶことが、大切だと思います。例えば、まず英語に慣れて基礎的な運用力を付けるために、費用が安いフィリピンで1カ月間、集中的にプライベートレッスンを受ける。それからその方の仕事の方向性を踏まえて、アメリカなりイギリスなりで、ビジネス英語を軸とした研修を継続する。そういった組み合わせが、あってもいいわけです。最終的にその社員をどのレベルまで育成したいのか、着地点をどこに置くかという具体的なゴールイメージを設定し、そこから遡って、渡航先の選定や研修内容を組み立てるのがよいと思います。

語学学校の特色はさまざま。質の高いビジネス英語が学べる学校も

――フィリピン語学研修をめぐる企業の要望や、現地の学校事情に関して、注目すべき傾向はありますか?

酒井 フィリピンには大小さまざまな英語学校ができていて、こう言っては何ですが、玉石混交です。私も現地をだいぶ視察しましたが、若くてフレンドリーな講師がレッスンを盛り上げてくれるものの、ただ楽しいだけという学校も多いです。そうかと思うと、非常に優秀で熱心な講師がいて、落ち着いた雰囲気の中、良質なビジネス英語が学べる学校も間違いなくあります。

楽しく英語に親しむタイプの学校は、研修の対象者や目的によっては有意義でしょう。それでもやはり企業研修では、安ければどこでもいいというわけにはいきません。ビジネス英語がきちんと身に付く学校をと、企業が選択するのは当然です。

根間 学校の選定については、アルクでも厳しく行うようにしています。お客さまである企業の要望やゴールイメージをもとに、あれはできないか、これはできないかと、さまざまなアイデアや改善要求を学校に投げかけますので、学校にとって私たちは少々うるさい相手かもしれません。しかしその結果、学校側も企業のニーズへの理解を深めながら成長できるのです。私たちはそのようなパートナー校の中から厳選したプログラムをご紹介しています。

――なるほど、かなり質が高い学校もあるのですね。 

酒井 ハイレベルな学校では、「ここまでフィリピン英語でできるんだ」と感心するような、本当に良いレッスンをやっています。ビジネス英語のレベルが高く、講師の発音もとてもきれいです。一般にフィリピン人講師の英語には訛りがありますが、良い学校の先生には、流ちょうな英語、特にアメリカ英語を話す人が多いのです。文法についても、基礎からしっかり教える力があります。

これらの学校の講師には、ビジネス経験を有する人も珍しくありません。フィリピンにはアメリカ企業のコールセンターがたくさんあり、そういう会社でアメリカ人顧客のクレーム対応を経験してきた講師などは、巧みなビジネス・コミュニケーションスキルを身に付けていて、レッスンを見ていても確かさや説得力が伝わってきます。

フィリピン語学研修セブの町の風景

メンタルブロックを外し、リラックスして英語と付き合う第一歩

――講師も雰囲気も内容も、学校によって大きく違うとなると、アルクとしても各校の情報を常時モニターし、企業にご案内していく必要がありますね。

酒井 その通りです。特にエグゼクティブ向けの研修の場合、私たちは数校に絞って企業に提案をしますが、その「数校」にも、それぞれ特色があります。そこで一定の英語力がある方にはこの学校、知識はあるが話し慣れていない方にはこちらの学校というように、私たちでスクリーニングをするわけです。研修に行かれる方に最適な提案ができる点は、まさにアルクの強みだと思っています。

――実際に研修を体験した方の声などは聞かれていますか。

酒井 フィリピンへ行ったことで英語学習のコツがわかり、帰国後も継続して勉強するようになった、モチベーションが上がった、などの声が非常に多いです。あるエグゼクティブの方は、会社が外国企業を買収してから、急に英語を必要とする場面が増えたのだそうです。そうは言っても英語には不慣れで、海外からお客さんがあっても緊張して話せないと、こぼしておられました。でもフィリピンで研修を受けたことで、英語に対するメンタルブロックが外れたのでしょう。気持ちが楽になり、肩肘を張らずに話せるようになったと喜んでいらっしゃいました。

根間 英語を使うことに慣れていない方は、欧米よりもフィリピンの方が無理なく研修に参加できて、確かに成果を出しやすいかもしれませんね。講師やスタッフが、自分と同じアジア人だというだけで、皆さんずいぶん緊張がほぐれるようです。日本人スタッフが常駐する学校も多く、ある意味「守られた」状態で、安心してレッスンに臨めると思います。

――アルクとしては、たくさんの選択肢の中から、企業ニーズに応じた提案を的確に行っていくということですね。第3回は、海外研修におけるアルクの役割について、話したいと思います。

企業の人事教育ご担当者様向け
フィリピン語学研修に関するお役立ち資料のご紹介

フィリピン語学研修
今回の記事に関連しまして、「フィリピン語学研修、最新事情」という資料をご用意いたしました。おすすめの語学学校の紹介なども掲載していますので、ぜひご参考にしていただければ幸いです。

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取材・文: 田中洋子
写真: 留学海外研修部

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