不思議の国、ニッポン~外国人旅行者が驚くこと~

2年間のボランティアガイドを経て、昨年9月より全国通訳案内士(通訳ガイド)として活動する龍里宗一(たつざとそういち)さん。案内する方の多くが初めての来日で、いろいろな質問を受けるそうです。彼らが不思議に思うことを紹介してもらいました。


自販機のホットドリンクに感激

ガイド中、反応が高いのは「コインもの」です。まず、飲料水の自動販売機の台数と品数の多さに感動し、さらに、寒い時期は「ホット」商品に心が奪われること請け合い。試しにホットコーヒーを購入する方も多く、「これはおいしい~」とご満悦です。季節ごとに商品が入れ替わることを説明すると、細やかな対応だと感心されます。

コインパーキングでは自動車が駐車した途端、地面から板が上がり車をロックする様子にくぎ付けになる人をたくさん目にしました。企業、個人の遊休地の有効活用策であること、機械が故障していないことに皆さん、感動されます。過去には、日本で壊れている公衆電話を見たことがないと話してくれた方もいました。自動販売機も同様ですが、性能と治安が良いことの表れだと思います。

駅や電車でのふしぎ発見

アメリカ出身の方と地下鉄に乗ったときのこと。「これまでニューヨークでごみが落ちてない駅を見たのは一回だけど、東京はごみが落ちている駅を見たのは一回だけ!」

特にラテン系の国から来た方は、乗客がスマホに夢中で車内が異様に静かだと感じるようです。一説によると、日本人は世界で最も携帯電話を通話に使わないのだとか。こう話すと妙に納得されます。この他、ぐっすり眠っている人、中には立ったまま眠る人がいることも不思議なのだそうです。「私の国では物を盗られてしまいそうで、うかうか寝てられないのよ」。日本が安全な国と言われる一例でしょう。

ギョッとした理由は……

トイレから戻ってきたオーストラリア人男性が、そわそわした表情をしています。「あれじゃ出るものも出ないよ~」。

女性清掃員がトイレを掃除していたことに驚いたそうです。公共の場所やホテル、デパート、ショッピングセンターではタイミングを見てトイレ休憩の時間を設けていますが、特に西洋の国々ではプライバシーの意識がより高いこともあり、こういった状況は起きえないのでしょう。出入り口に注意書きが掲げられていても日本語のみの場合が多く、最近は男性スタッフが女性トイレを清掃していることもあるので、多言語表記が必要なように思います。

日本のクリスマスから新年は独特?

年末年始の時期に日本を訪れた方は12月のカレンダーを見て、クリスマス(25日)が平日であることに目を見張ります。そして、イブ(24日)がメインのように祝われていることにもびっくりされます。さらには、きらびやかな街中のクリスマスデコレーションが26日にはお正月飾りに置き換わっていることにも驚かれます(欧米では1月6日過ぎに片付けるのが一般的)。

なかなか仕事を休まないと思われている日本人が、年末年始の時期は休暇を10日前後取ることにも外国人は興味を覚えるようです。なお、元日は商店、デパート、レストランともに休業が多く、お連れする場所に苦慮するのですが、「祝日は休暇を取るのが当たり前」と考えるお客さまには意外と理解いただけるのも面白いところです。

これまでの経験から、観光名所について事前にしっかり調べた上で来日する方が増えていることをますます感じます。彼らが喜ぶ案内は、日本在住の日本人の視点で、びっくりするような「非日常感」を知り、過去と現在がうまく融合した真の日本を紹介されること。これらを意識して、日本を見直してみると新鮮ですよ。


文: 龍里宗一
イラスト: つぼいひろき

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