留学をその先の未来へ――ニュージーランドへ留学した高校生の体験をご紹介【後編】

トビタテ!留学JAPAN

海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」を通して、ニュージーランドの高校生活を体験した和田佳宏君。現地でどのような困難に直面し、どう乗り越えたのかを聞きます。
※【前編】では和田君が体験した審査とプレゼンテーションについて、ご覧いただけます>>


――現地校の授業について、印象に残っていることを教えてください。

テストのためだけでなく、社会に出てからも役に立つ授業が提供されていると感じました。英語、数学、科学、社会といったコア科目の他に、ビジネスやテクノロジー、リーダーシップなどの選択科目も20種類以上あります。

高校時代にさまざまな分野に挑戦することができると同時に、自分の将来を早い段階で真剣に考え、慎重に科目選択をする必要があることが印象的でした。また、英語が母語でない生徒の受け入れ態勢が整っていることも、多民族国家であるニュージーランドならではだと思いました。

――現地ではどんな困難に直面しましたか。

行きの機内ではキャビンアテンダントの方の話、経由地の香港で搭乗予定のフライトが遅れたときの説明、ニュージーランドに着いてすぐ連れて行ってもらったハンバーガーショップでの店員の話も、さっぱり分かりませんでした。現地の人は早口なんです。

だから、同学年のネイティブと一緒に授業を受けるのも、最初は本当に大変でした。全て英語で行われる授業はほとんどお経のようにしか聞こえません。さらに1週間ほどたった頃のパソコンの授業で、隣の席の生徒に“Do you know anime?”と質問されたのですが、animeがenemyに聞こえて、何について聞かれているのかチンプンカンプン。ようやく意味が分かった時にはクラスメートに笑われ、質問してくれた人も面倒くさくなっているような雰囲気を感じました。

実は、留学前までは自分は英語が得意だと思っていました。小学校で英会話スクール、中学では塾に通っていて、成績も良かったんです。それだけに、すっかり自信をなくしてしまい、この頃は「日本に帰りたい」と逃げ出したい気持ちになっていました。

――そのような大変な経験をどう乗り越えたのですか?

まず、ホストファミリーに「英語が苦手だから教えてほしい」と頼みました。それまで「英語は得意だ」と言い続けてきた自分にとって、それを口にすることはとても勇気のいることで、恥ずかしくもありました。だけど、変なプライドを捨てることで肩の荷が下り、学びに集中できるようになりました。

そして、「自分だけの空間をつくらない」「一人で積極的に行動する」ということを実践しました。例えば、学校では日本人だけで固まって行動しないように意識しました。スポーツを通じて友達をつくったり、マオリの授業に参加してニュージーランドの文化を学んだり、けん玉や折り紙など日本の文化を共有することをきっかけに、ネイティブと話をする機会を増やしました。

次第に、現地のクラスメートたちと仲良くなることができ、みんなから自然な英語の言い回しをたくさん教えてもらいました。帰りのフライトで、隣に座った人と気軽に英語で話ができた時の感激は忘れられません。

ニュースレター学校のニュースレターで、和田君をはじめとする留学生の活動が紹介された

――和田君にとって、この留学はどのようなものになりましたか。

今思えば、ニュージーランドで経験したこと全てが自分にとって新たな挑戦でした。英語が話せず惨めな思いをしたこともありました。ただそれは、日本にいては経験できないことで、自分で考え、計画し、行動することによってその困難を乗り越えたことが自信につながりました。

また、学校にはネイティブだけでなく、中国やタイ、フィリピン、メキシコなど、さまざまな国の友達とコミュニケーションをとる機会があり、みんなに自分の気持ちをどうやったらうまく伝えられるかを真剣に考えなければなりませんでした。

留学前は英語をなぜ学ぶのか考えたことはありませんでしたが、今回の留学を通じて、さまざまな国の人たちと、英語という共通語を使ってコミュニケーションを取るために英語を学んでいることを実感しました。

――今の夢は何ですか?

帰国直前にした「平和に関するプレゼンテーション」が、自分にとって最大の挑戦でした。しっかり準備を重ね、自分の伝えたい思いがみんなに伝わった時、達成感とともに、より広い舞台で新たなことに挑戦したいと思えるようになりました。まだ将来の夢ははっきりしていませんが、新たに挑戦したいことを見つけ、それに向けて自分の力で計画し、行動を起こしていきたいと思っています。

――最後に、後輩たちへメッセージをお願いします。

大切なのは英語力でも選考のための準備でもなく、自分がどれだけ留学したいのか、何を目的・目標として留学したいかを明確にすることです。留学は自分を変えるきっかけになります。自分の長所と短所を見直す機会になり、たくましくなります。世界の見方が変わり、視野も広がります。世界へ羽ばたいて、自身の可能性を100、200と広げてください。応援しています!

時間割
和田君の時間割


取材・文: アルク留学センター
写真提供: 和田佳宏


本記事は、『英語の先生応援マガジン』2018年秋号に掲載した「留学をその先の未来へ」からの転載です。

“本気の英語の先生”をアルクが応援する、登録制(会員制)ウェブサイト「英語の先生応援サイト(LTAF: Learning Teachers’ and Advisors’ Forum)」もぜひご覧ください。

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