【英語の先生向け】夏休み海外研修レポート:イギリス(2)

Bell Teacher Campus

研修生たちに「教室でこの活動をどう応用しますか?」と問い掛けたAnna Young先生(左)

世界各国から集まる英語の先生のための夏季研修プログラム「Develop Your Professional Teaching Skills」に参加した、高橋みどりさん(愛知県立刈谷北高等学校)のレポートを7回に渡り、お届けします


研修の中心となるコアプログラム(Chosen Course)で私が選んだのは、Creativity in the Classroomです。担当のAnna Young先生は、穏やかで明るく、学識もユーモアのセンスもある素敵な女性でした。私たち研修生の心をつかみながらクラスマネジメントする力に長け、決して飽きさせることなくバラエティーに富んだ授業を展開します。

2週間の授業は、90分×20コマ。Anna先生は毎日、導入にwarmer (warm-up)を行います。初日は15人の研修生が互いを知るために、「いろいろな人と話して相手との共通点を3つ見つける」「自分に関する数字を3つ挙げて、相手に何を示すか当てさせる」といった活動をしたのですが、一気に打ち解けた雰囲気になりました。

先生は全ての活動で私たちの様子を観察し、シェアしたい答えや注意すべき表現を拾ってクラスにフィードバックします。常に、「この活動はあなたの授業にどう応用できますか?」と問い掛けるのも印象に残りました。的確に指示を出し、ペア、3人、5人と有機的にグループを動かす姿も勉強になりました。

授業は毎日、同じ部屋で行うのですが、翌日までに活動の成果物や振り返りのキーワードが壁に貼り出されるので、それを見るたびにいかに多くの活動をしたか驚かされました。

Activities日々増えていく掲示

creativityについて、strategiesを表した7枚の紙(Take sensible risks, Analyse your ideas, Redefine problems, Allow time, Persevere, Enjoy what you do and who you are doing it with, Do what you love to do)と、それぞれの内容を表した7枚の紙(Being creative is a long, time-consuming processなど)を1人1枚持ち、内容を読み上げ、意見を交換しながら自分とマッチする相手を探す活動は、互いに協力しなければ完成しません。「学習者は失敗を恐れず、遊び心を持って考えを分析し、粘り強くなること」という大切なメッセージをもらった気がします。

Bell Teacher Campus

最上級を扱う活動では“What is the highest mountain in the world?”というような「正解を考えさせる」クイズではなく、「答え」ありきで問題を作る活動をしました。さらには、人気ドラマを素材に他の人が使わないような形容詞を使ったオリジナリティあふれる問題を作ることも競い合いました。

また、パートナーが読んだ文をイラストにする活動も盛り上がりました。例えば、一人の紙にa cat on TV、もう一人の紙にa cat on a TVとあれば、違う絵が出来るはずなのに、初めはどちらもテレビの上に乗った猫が描かれました。私たちはおかしいと思い、読むのも聞くのも注意を払って、絵を修正していきました。

そのほか、glass、egg、hairなども、a/anが付くか付かないかでまったく意味が変わることを、絵を描きながら楽しく確認し合いました。こういう活動をすると、生徒の心に鮮明に残るのではないでしょうか。不定冠詞や可算不可算の概念をつかませる際にいい活動だと思いました。

五感を刺激する活動が多いのも特徴で、先生が言った通りにリピートして動くアクティビティでは、以下の文にジェスチャーを付けて全員で表情豊かに発音。ストーリーが不思議なほど覚えられました。

I was walking in the forest when / I saw a box on the ground in front of me / I picked it up / I slowly opened it / Aaaah! A bird flew out and hit me in the face / I looked inside / Wow! / It was full of treasure / I filled up my pockets as quickly as I could / Oh no! / Someone was coming! / I turned around and ran!

続いて、Iwwitfw / Isabotgifom / Ipiu…という具合に、各語の頭の文字が書かれたハンドアウトが配られたのですが、これを見ただけで簡単に文章が口から出ることにみんな驚きました。もちろん、狭い教室の中で、子どもじみた動きを高校生にさせるのは難しいかもしれません。ですが、五感を刺激すると記憶が活性化されることは実感できました。

Pillar four

週の最後に、先生が“Seven Pillars of Creativity in Primary ELT”(Carol Read)を紹介してくれました。演習に使ったアイデアには、元となる文献があるのですが、先生は完全に自分のものに解釈した上で提示するので、とても勉強になりました。

先生は私たちに活動を通して、考え、意見を述べ、分析させるように導きます。いかに独自のアイデアを出せるか、私たちは考え、共有し合ったように思います。

次回も、Anna先生の授業の様子をお伝えします。


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アルク留学センター 英語の先生海外研修サポート担当
Tel: 03-3556-1325(月~土 10:00~18:00)
E-mail: jr-study@alc.co.jp
https://studyabroad.alc.co.jp/


文・写真: 高橋みどり

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