留学をその先の未来へ――ニュージーランドへ留学した高校生の体験をご紹介【前編】

トビタテ!留学JAPAN

和田佳宏君(中央)とホストファミリーの記念の1枚

トビタテ!留学JAPAN」は、2020年までに日本人の海外留学生数を倍増させるという目標の下、創設された官民協働海外留学支援制度。多様な分野においてリーダーシップを発揮し、世界で活躍、または世界に貢献する意欲のある高校生を募集しており、参加者自身が留学計画書を立案できるのが特徴です。

利用には審査(一次・二次)の通過が必要で、申請は全て在籍校を通して行われます。その倍率は年々高くなっているため、高校の先生方の支援が不可欠です。生徒はどんな審査を受け、どんな留学をすることができるのでしょう。この「トビタテ」を通してニュージーランドへ留学した和田佳宏君(当時高校2年生)の体験をご紹介します。


目次

  • 留学への思いを真摯にアピール
  • 学びの集大成となったプレゼンテーション
  • 「トビタテ!留学JAPAN」応募のポイント

留学への思いを真摯にアピール

「トビタテ」への応募を決意した生徒がまず着手するのが一次審査書類(留学計画書)の作成です。自分の長所や得意分野、ルーツや将来の夢を明確化した上で、自分のこだわりを計画書に落とし込み、自分だけの留学計画を立案していきます。

和田君のこだわりは「英語力向上」、そして出身地である広島のアンバサダーとしての「平和プレゼンテーション」という2点。これらを明確に伝えるために、より目に留まりやすい計画書を心掛けました。彼の計画書を見ると、自分が取り組みたい活動が箇条書きできれいにまとめられており、奇をてらうのではなく、さまざまな活動を通して自分の目標を達成したいという積極性と一本芯の通った真摯さが伝わってきます。

トビタテ!留学JAPAN
読みやすさに留意して箇条書きでまとめた留学計画書。
短い言葉で真摯な思いをアピールしている

二次審査でも、和田君はいかに面接官の印象に残るかということに注力しました。面接官からの「もし自分を売るとしたら何円で売るか」といった質問に一瞬ちゅうちょする場面もありましたが、発表では用意していたスケッチブックを使い、面接官だけでなく同じ面接会場にいた他の志願者も自分の観客と捉え、その場所にいる全ての人たちに目を向けながら自分の思いを伝えることにこだわりました。途中思いがあふれるあまり「何でもやります。行かせてください!」という彼の言葉に面接官が思わず吹き出す場面も。真っすぐな思いが伝わった瞬間でした。

一つ一つは何げない行動ではありますが、彼の長所である周囲を巻き込む力、そしてそれが留学先で必ず役立つスキルであることをアピールすることに成功しています。

学びの集大成となったプレゼンテーション

留学前、和田君の英語力は英検3級程度。当然うまく聞き取れない・伝えられないことはたくさんありました。しかし、ホストファミリーやクラスメートと積極的に交流することで英語を学び、ノートにまとめ、英語力の向上に努めました。その集大成が「平和に関するプレゼンテーション」です。プレゼンしたいことを現地校の先生に相談すると、ランチタイムに発表の時間を設定するとともに、招待状を作成して参加する生徒を募ってくれました。和田君は、当日の発表のスクリプトを作成。本番では台本なしでスピーチができるよう、ホームステイ先で何度も繰り返し練習を行いました。

トビタテ!留学JAPAN

発表当日。招待状を受け取った多くの生徒がランチの時間をつぶして集まってくれました。和田君は彼らを真っすぐ見ながら、まずは広島に原子爆弾が投下されたことや平和記念公園と後に残った原爆ドームについて、投下前後の写真を交えて説明。また、その年の5月にオバマ大統領(当時)が広島を訪れ、平和を祈願した折り鶴を贈ったことを話しました。集まった生徒たちは、真剣に耳を傾けています。

その後、折り紙を配布し、折り鶴の折り方をレクチャー。あえて「山折り」「谷折り」などの用語は使わず、音を表す言葉で折る方向を指示するという工夫を交えながら、全員が楽しみつつ細かい作業に取り組めるように心掛けました。生徒たちは、和田君に質問しながら真剣なまなざしで折り鶴を折ります。その様子は一人一人が戦争のない未来と世界平和を願う気持ちで一つになっていたようでした。

発表後、和田君の活動は現地校のニュースレターで紹介されるとともに、先生からは発表した内容を一つのパネルにまとめてほしいと依頼がありました。彼の功績を学校に残すと同時に、より多くの生徒に平和の大切さを伝えるためです。彼が作ったパネルは今も学校に大切に展示されています。

トビタテ! 留学JAPAN

「トビタテ!留学JAPAN」応募のポイント

「トビタテ」はその性質上、変わったことや壮大な目標が評価されると思われがちですが、和田君のように、自分自身の長所やこだわりを一貫してアピールすることの方が大切です。

  • 留学計画書を書く前に自己分析をしっかり行い、留学先での目的を明確化する
  • 現地でのスケジュールがある程度決まっているプログラムの中で、自分の行いたい活動が実現可能かどうか、事前に確認する

以上の2点を、応募を希望される生徒さんにお伝えいただければと思います。

※【後編】では和田君の留学生活をご紹介します>>


取材・文: アルク留学センター
写真提供: 和田佳宏


本記事は、『英語の先生応援マガジン』2018年夏号に掲載した「留学をその先の未来へ」からの転載です。

“本気の英語の先生”をアルクが応援する、登録制(会員制)ウェブサイト「英語の先生応援サイト(LTAF: Learning Teachers’ and Advisors’ Forum)」もぜひご覧ください。

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