英語スピーキング力向上に影響する学習時間、学習内容とは──275人の高校生を3年間追跡調査

アルク教育総合研究所は、「英語スピーキング力が伸びる学習」についての調査レポートを2018年7月31日に発表しました。同一生徒275人のスピーキング力を高1から高3にかけて追跡調査。学習実態を問うアンケートや英語教師への授業実態アンケートも実施し、その結果と掛け合わせてスピーキング力の変化に影響する要因を分析・報告したのが「日本の高校生の英語スピーキング能力実態調査 Ⅲ-高校3年間で高校生の英語力はどのように変化したか-」です。調査結果を元に、スピーキング力向上に効果的な学習時間や学習内容をご紹介します。

<調査対象>
調査協力校3校に通う高校3年生、275人
(※スピーキングテストとアンケートの双方で有効な結果が得られ、かつ調査協力への同意が得られた人数)

<調査方法>
TSST(Telephone Standard Speaking Test)による英語スピーキング能力測定
・アンケートによる学習実態調査

<調査結果>
【学習時間】

調査協力校各校で、スピーキング力が1レベルアップした生徒と、レベルに変化のなかった生徒を比較すると、どの学校においても、1レベルアップした生徒は変化のなかった生徒よりも、週あたりの英語学習時間の平均が長かった。

1レベルアップした生徒の学習時間の平均は、最も短いA高校で約7時間、最も長いB高校では約14時間であったことから、高校1年次から1レベルアップさせるためには、高校3年次で少なくとも週に7時間の学習が必要で、週に14時間以上学習すると、その可能性がさらに高まることが分かった。

【学習内容】

高校3年次の英語学習時間の合計が週に14時間未満でも、学習内容を以下の①~③のように工夫することで、スピーキング力向上につなげられる可能性がある。

① 「英語を声に出す学習」、「英文を作って話す・書く学習」、「単語・文法学習」といったスピーキング力向上に寄与するさまざまな学習を、それぞれ少なくとも週に30分以上学習する

高校3年間で、1レベルアップした生徒が最も多かったB高校では、「会話」や「書く」など英文を作って発信する学習(上の表に見られるように、B高校では授業中、英文を作って発信する学習を、長い時間実施している生徒の割合が他校より高い)や、発信の基礎となる「単語」「文法」の学習時間が週に30分以上の生徒の割合が、他校に比べて20ポイント以上高かった。

さらに1レベルアップした生徒に限って言えば、「音読」「発音練習」など既存の英文を声に出す活動の時間を30分以上した生徒の割合が、変化なしの生徒に比べて20ポイント以上高かった。

② ①の実施が難しい場合、「既存の英文を声に出す学習」「英文を作って発信する(話す・書く)学習」「単語・文法学習」などスピーキング力向上に寄与するさまざまな学習を、それぞれ週に10分以上行った上で、「音読」については少なくとも週に30分以上取り組むことでも効果が見込める

③ ①の実施が難しい場合、「文法」を週に30分以上学習した上で、英文を「(自分で組み立てて)書く」学習については少なくとも週に30分以上取り組むことでも効果が見込める

【その他】
調査結果からは、英語(学習)に対して前向きであること、大学入試で英語が必要であること、英語圏へ滞在・留学した経験があることは、スピーキング力向上に良い影響があるかもしれないが、必須条件ではないと思われる。

【まとめ・考察】
高校生が、高校1年からの3年間で英語スピーキング力をアップさせるには、「高校3年次の時点で、授業中や自宅などで少なくとも週7時間以上の英語学習が必要」で、さらに「単語・文法学習から英文を作って発信する活動までさまざまな学習を、それぞれ週に30分以上実施することが望ましい」ことが分かりました。一つの学習に偏ることなく、一定の時間学習すれば、特別なことをしなくてもスピーキング力向上が可能、と言えるでしょう。

▼詳しい内容はこちらからご覧いただけます▼

高校生の英語スピーキング力を高1から高3まで3年間追跡調査。「英語スピーキング力が伸びる学習」を、275名のデータを元に分析-『アルク英語教育実態レポートVol.11』7月31日発表 (プレスリリース)

アルク英語教育実態レポートVol.11 (アルク調査レポート)


文・構成:アルクplus 編集部

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