これからの英語教育を考えるーー「アルク教育ソリューションEXPO」開催

平野琢也所長

民間の英語4技能テストを大学入試に導入、グローバル人材育成、eラーニングの有効活用など、語学教育や人材育成の現場における課題は多岐にわたります。
語学に関し、幼児教育から指導者育成までサポートするアルクは、学校や企業が抱えるさまざまな課題について、専門家の方々の提言や取り組みをご紹介するイベント「アルク教育ソリューションEXPO」を開催しました。英語教育関連の調査や研究に携わるアルク教育総合研究所の平野琢也所長に、イベント開催の意義と概略を聞きます。


「使える英語」の習得を目指して

日本の英語教育は、長いこと知識偏重型の時代が続きました。2000年代に入り、経済・社会のグローバル化が進むと、国際社会で生き抜くためには「使える英語の習得が必要」だという考えが一層重視されるようになりました。文部科学省は「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」を策定し、国民全体に求められる英語力として、例えば中学卒業時に英検3級程度、高校卒業時には準2級から2級程度の力を付けることを目標に据えますが、近年の調査でも達成率は40パーセントに満たないという状況にあり、教育現場では試行錯誤が続いています。

隣国を見ると、韓国が1997年、中国が2001年に公立小学校で英語を必修化しました(日本は5、6年生を対象に2011年から必修化)。両国とも英語学習熱は高く、特に韓国では有名企業の入社条件にTOEICテストの高スコアはもちろん、スピーキングテストの成績証明が必須になったほど。英語力がいい仕事に直結するのです。

日本人が英語でコミュニケートする相手の7、8割はノンネイティブ

世界の英語人口は18~22億人といわれています。このうち、ネイティブスピーカーは約4億。14~18億人は、外国語や(準)公用語として英語を使う人々です。日本人が英語でコミュニケートする相手の7、8割はノンネイティブだという調査があります。

日本人が英語でコミュニケートする相手の80%はノンネイティブ出典:『コミュニカティブな英語教育を考える』(アルク 刊/2014年)

アルク教育総合研究所が「過去1年間に仕事で英語を使った日本人825人」を対象に行った2015年の調査※では、仕事相手にネイティブとノンネイティブの占める割合は大差ないという結果が出ました。
※「日本人の仕事現場における英語使用実態調査」より

ノンネイティブ同士のコミュニケーションで大事なのは、シンプルな構文かつ誤解が生まれにくい表現を選び、わかりやすい速さで話して意図を伝えること。目指すべきは仕事に支障が出ないレベルの英語力です。ネイティブスピーカーのようなレベルを目指す必要はありません。

アルクは6月1日(金)から3日(日)、ノンネイティブとして英語を使う日本人が、英語を身に付けるために役立つ教材や、事例を知ることができるイベント「アルク教育ソリューションEXPO」を東京・神田で開催しました。

学校教育からグローバル人材育成まで、豊富な事例を紹介

2020年を節目にして、さまざまな動きがあります。学校教育では4技能試験導入に象徴されるように、知識の積み上げから「蓄えた知識をどう使うか」といった、英語を使ってコミュニケーションできる力の強化、育成がこれまで以上にフォーカスされています。

指導する先生方にとっては、どうすれば英語の運用力を付ける授業ができるか、生徒のスピーキング能力をどう評価するかは大きな課題です。明確な基準がないために独自に情報を収集をして試行錯誤される方が多いと聞きます。スピーキング能力の育成と評価について知りたいという先生には、東京外国語大学大学院の根岸雅史教授のお話が参考になると思います(6月3日 15:00~16:00)。

広島大学外国語教育研究センターの森田光宏先生は、eラーニングを活用して学生に課題を出しています。授業では確認のミニテストをした後、2人1組のアクティビティなど教室でしかできない英語を発する活動をたくさん行います。英語を使うスキルは実際に使わないと身に付きません。eラーニングで得た知識を活用する場が、授業なのです。「授業の内と外をつなぐeラーニングの活用事例」と題するセミナーで、その実例をお聞きいただけます(6月3日 12:00~13:00)。

Language LearnerからLanguage Userへ

言葉は使ってこそ価値があります。世界中の人とコミュニケーションするには言葉を使うことが必要です。英語の知識を積み重ね、それを使えるようにするためになされた試みや、成功例などを今回のイベントではお伝えします。セミナーはそれぞれ40人の定員制ですので、早めのご予約をおすすめします。また、事前登録すれば参加費も無料となりますので、ぜひお申し込みください。会場でお待ちしています。

※本イベントは終了いたしました。ご来場いただいた皆さまに、お礼を申し上げます。

アルク教育ソリューションEXPO 2018

英語をツールとして学びや仕事の場で活用し、コミュニケーションを発展させてさまざまな目的を達成するための力をつける方法について、各界の専門家から提言や取り組み事例のご紹介をいただきます。アルクが提供する英語教育・人材育成支援のソリューションを一堂に集め、英語教育の最適化を共に考える機会を創出します。
https://www.alc.co.jp/seminar/expo2018/
アルク教育ソリューションEXPO

開催日時】 2018年6月1日(金)、2日(土)、3日(日)
 1日目: 6月1日(金)12:00~18:00
 2日目: 6月2日(土)10:00~18:00
 3日目: 6月3日(日)10:00~17:00
開催会場アーバンネット神田カンファレンス
入場料】無料(事前登録なしの場合、1,000円)

対象者:
・英語教育や学内教育改革に携わる大学の先生方、高校・中学校の先生方
・大学をはじめとする教育機関の職員、マネジメントに従事する方
・教育委員会、自治体などで教育政策に関わる方
・予備校、専門学校、塾など語学教育機関や企業の人事・教育・研修ご担当者など

主な内容:
・英語教育ソリューションセミナー(3日間で全12本、各定員40名)
・デモステージでのプレゼンテーション(2日間で30本以上)
・体験・相談ブース(10カ所のブースで実際の体験や詳しいご相談ができます)
・アルク教材紹介・即売コーナー(会場特価でアルクの書籍が購入いただけます)

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