日本政府観光局(JNTO)によると、2017年の訪日外国人は前年比19.3%増の2,869万人(推計値)に上るという。今や大都市だけでなく、地方でも街中で観光を楽しむ外国人を目にする機会が格段に増えている。接客の現場では、外国人客に対して、どのような対応がなされているのだろう。
日本でTOEIC(R) Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は、2018年1月16日~18日に、全国の接客業に携わり外国人の接客をすることがある全国の20代以上の男女500名を対象に、「訪日外国人への接客に関する実態調査」を行った。
1カ月に接客する外国人の人数について、回答者の31.4%が10人以上と答えた。
そして、外国人を接客している時の英語力について、42.6%が「カタコトレベル」、30.4%が「たどたどしいレベル」と回答。そのうちの77.5%は英語に対して苦手意識を持っていることが分かった。
また、外国人の接客で行っていること(複数回答可)として、「英語(カタコト英語やジェスチャーを含む)でコミュニケーションをとること」が67.2%でトップとなり、次いで「常に笑顔で接客する」が58.6%、「ジェスチャーを交えた接客」が40.6%、「対象物やヒントにつながるものを指でさし、伝える」が39.4%となった。
英語初級者は「出だし」の語+ジェスチャーから始めよう
IIBCの調査結果から見えるのは、接客担当者の多くは、英語に苦手意識を持ちながらもカタコトの英語とジェスチャーを交えて、なんとかコミュニケーションを図っていることだ。外国人への接客の際に、英語が口を出なくて困っているという方は、まずはジェスチャーとカタコトの英語を使うところから始めてはいかがだろう。
このほど、アルクから刊行された書籍『接遇英語のプロが教える「出だし」だけ+ジェスチャーからはじめるおもてなし英語』は、接遇英語のプロフェッショナルである中野美夏子さんが、数々の経験から得た「英語初級者が実際に英語を話す状況に置かれた際に、現実的に使うことができる英語」を追究し、コミュニケーションの方法を教えている。
その方法とは、「出だし」の語+ジェスチャーというとてもシンプルなもの。誰でもすぐにできるハードルの低さながら、厳選した「出だし」は全て、誰に話しても失礼に当たらない丁寧な表現ばかり。あとは表情、声のトーンを意識すれば、接客業に従事している方も十分に対応できるものとなっている。海外からのゲストにどんどん話し掛けて苦手意識をなくしていこう。
文・構成:アルクplus 編集部