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【キムタツ先生の講義動画を追加 18/1/19】 英語4技能を高める指導方法とは? 教材活用セミナーに中高の英語の先生が集結

木村達哉先生の講義を熱心に聞く、100人を超える英語の先生方(東京会場)

2020年度の大学入試改革を目前に控え、高校英語の教育現場では、「限られた授業時間の中で生徒の英語4技能をいかに伸ばすか」が喫緊の課題となっています。

4技能型入試で確かな成果を出すことはもちろんのこと、「使える英語」の獲得に向けて生徒の力を伸ばしていきたい--。全国で計6回(札幌・東京・名古屋・大阪・広島・福岡)開催した「生徒の4技能を高める教材活用セミナー2017」には、具体的な指導方法について知りたいという多くの中高の先生方が参加されました。このセミナーの様子をお伝えします。

遠方から、あるいは授業が終わってから駆け付けた先生も

本セミナーシリーズは、2017年11月の札幌開催から始まり、12月の福岡開催にて終了しました。全6回のセミナーに集まった英語の先生は延べ460名。東京開催には群馬や長野、新潟、愛知から参加された先生も。また、午前の授業を終えてから駆け付けられた先生もたくさんいらっしゃいました。

参加の理由の多くが、「英語4技能向上のための指導方法について具体的に知りたい」というもの。「限られた授業時間の中で、“試験対策”と“使える英語”を両立する指導」や「レベルの大きく異なる生徒のアウトプット力を伸ばすこと」などの難しさに直面する中、「実際に授業でそれらに取り組み、成果を出している現役の先生の講義を聞きたい」、という高い関心を示されました。

シリーズを通して講義いただいたのはキムタツ先生こと、木村達哉先生(灘中学校・高等学校)。開催地別には、石崎陽一先生(東京都立日比谷高等学校)と佐藤仁志先生(駒場東邦中学校・高等学校)に講義いただきました。高校学習参考書のご執筆経験豊富な先生方に、英語4技能を鍛えるための効果的な指導方法をとともに、教材の具体的な活用方法について語っていただきました。

明日の授業から使える指導法を紹介

日→英 英→日 「クイックレスポンス」を鍛える

12月2日の東京会場には、100人を超える先生方が来場。セミナー開始前から講師や参加の先生方との交流が始まり、和やかな雰囲気の中、講義がスタートしました。

セミナーでは、第1部の「発信を見据えた語彙指導方法」と、第3部の「リスニングをベースにアウトプットにつなげる指導方法」を木村先生が、第2部の「発信を見据えた文法指導方法」を佐藤先生が担当。会場を学校の教室に見立てた模擬授業形式で行いました。

第1部では、木村先生が「クイックレスポンス」を鍛えるトレーニングを紹介。実際の英語使用シーンでは頭に日本語が浮かんでから0.3秒ほどで英語にしないとスムーズに話せません。『新ユメタン』を使った、英語から即座に日本語にする力と、日本語から即座に英語にする力を高める方法をご参加の先生方に徹底的に体験していただきました。

帯活動での指導や生徒への宿題、成果を実感できるツールなどを詳しく紹介した後には、クイックレスポンスで覚えた語彙を使ったアウトプットとして、ライティング指導方法を『ユメタン ライティング0』(学校専売品)を用いて展開しました。講義後には、「ぜひ自分の授業にも取り入れたい」という声が多数聞かれました。

アウトプットとともにインプットの質と量の重要性に触れる木村先生
アウトプットとともにインプットの質と量の重要性に触れる木村先生

使える力につながる文法指導

第2部の「発信を見据えた文法指導方法」の冒頭では、佐藤先生が「英文法なんて要らない」という文法軽視の風潮について、警鐘を鳴らしました。

文法を知らないと、自分で新しい英語を作ることができず、道案内もできません。“その存在を知っていること”と“身に付いていること”はまったくの別物です。

こうした考えを踏まえて、先生の著書『ユメブン0』を用いた、使える力につながる文法指導が展開されました。文法の基礎(中学英文法)を重視する佐藤先生の教えに、多くの参加者から共感の声が上がりました。

この第2部については、東京・広島・福岡で佐藤先生が、札幌・名古屋・大阪で石崎先生が担当されました。

『ユメブン0』を使って基礎英文法の指導方法について話す佐藤先生
『ユメブン0』を使って基礎英文法の指導方法について話す佐藤先生

『ユメブン1』を使ったアクティブな文法指導の方法を紹介する石崎先生
『ユメブン1』を使ったアクティブな文法指導の方法を紹介する石崎先生

第3部の「リスニングをベースにアウトプットにつなげる指導方法」では、木村先生が、受信力を発信力に高める授業を実施。4時間に及ぶセミナーは終了しました。

休憩時間には、アルクや本セミナー共催の株式会社ラーンズの教材見本展示ブースにて、先生方から多くのご相談をいただきました。

先生方の熱気から、日本の英語教育への大きな希望を感じる機会となりました。

ブースに立ち寄る多くの先生方
ブースに立ち寄る多くの先生方

12月17日開催・福岡セミナーでの、キムタツ先生講義のワンシーンをご覧いただけます。

中学・高校の英語科の先生向けセミナー | 英語の先生応援サイト Learning Teachers’ & Advisors’ Forum
英語・語学の総合出版社アルクが「英語の先生を応援する」ための、登録制のウェブサイトです。

講師の先生方からメッセージ

木村達哉先生

使える英語力を身に付けるためには、クイックレスポンスができる圧倒的な語彙力を身に付けることが必要で、それはとてもタフなレベルを生徒に要求することになります。

授業では、先生が解説をして生徒がそれを聞き、定期考査が待っている、という式ではなくて、徹底したトレーニングを課していかなければなりません。

生徒が英語を使えるようになるためには、先生自身が高校生の時に受けてきた授業とは異なる指導をすることとなり、それはとても大変なことですが、セミナーに来てくださっている方は、その意欲があります。

実践する上で大変なことが多いと思いますが、僕としてはできる限りお役に立てるといいなと思って全国でセミナーを行っています。

石崎陽一先生

4技能型入試が行われる時代における高校での指導において、従来と変えなければいけないこと、大切なこととは、端的に言うと、「使うことを意識する」ことだと思います。

生徒が、英語を使うことを意識して学ぶこと。それを指導者の立場に置き換えれば、生徒に英語を使わせることを意識すること、となります。

具体的に授業の場面では、体験をさせる場を作ることが教師の役目になると思います。人間、体験をすると言葉が増えます。うまく話せなかった、書けなかったという体験が、その後、使えなかった表現を覚えて使おう、という意欲につながっていくのです。

例えばリーディング力を伸ばそうとする時、テキストを読むだけではなく、4技能の体験を通して複合的に学ぶことが良い循環を生み出すと思います。

佐藤仁志先生

私自身が英語学習者として、中高の時に教わった「構造をきちんと捉えて訳すこと」は、正しかったし、必要なことだったと思います。ただ、話したり書いたりする機会が少なかったのは事実で、それが後々、思ったことをうまく話せず、苦しんだ原因になったと思います。

話せるようになるためにしたことは、かなりの量の瞬間英作文、出てきた日本語を即座に英語にすることでしたが、たくさんこなすうちに、ふとストレスなく話せることに気づいた、その経験は大きかったです。

僕らが授業と家庭で、そのようなトレーニングをするためのきっかけを与えることは、重要だと思っています。英語を発する練習、聞く練習をした上で入試対策があるのならいいのですが、入試対策ありき、という中高の現場はいけないのではないかな、と思います。

本セミナー担当者より

まずは、年末のお忙しい中、セミナーにご参加くださった先生方に運営スタッフを代表して心からお礼申し上げます。

大きな転換期を迎えた高校英語教育の最前線で日々奮闘される先生方に、英語4技能の育成を実現する授業デザインを確立するヒントをお持ち帰りいただけたのなら幸いです。

先生方あっての教育改革ですので、講師や他校の先生方とのコミュニケーションを通じて「また明日から頑張ろう」と思っていただけたのなら、これ以上うれしいことはありません。(アルク 高校営業チームリーダー・矢部)

●本セミナー開催概要はこちら
生徒の英語4技能を高める教材活用セミナー2017「4技能型入試で結果を出すための具体的活動とその指導展開」

http://ndsnet.com/alc-event/kyozai2017/

●英語の先生にお役立ていただけるサイト「英語の先生応援サイト」
https://teacher.alc.co.jp/

アルクは、10年以上にわたって、高校の英語の先生の指導力の向上とともに、先生ご自身の英語力のさらなる向上に寄与することを目指して活動をしています。ぜひサイトをご活用ください。


  • 文・写真:高校営業チーム
  • アルクplus編集部

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